会長の挨拶

会長就任にあたって

曽根田 靖
炭素材料学会 会長

 昨年12月に姫路市で開催された第49回炭素材料学会総会におきまして,尾崎純一会長の後を引き継いで本会会長を仰せつかりました産業技術総合研究所の曽根田靖と申します。責任の重さを感じておりますが,本会の発展に向けて精一杯努力して参りますので,会員皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 炭素材料学会は,炭素材料に関連した科学ならびに技術の進歩を図り,あわせてその知識の普及に資することを目的とする,と会則に定めています。私も,この目的を掲げた本会の活動が,より一層充実するよう努力する所存です。学会の活性化に向けては,これまでにも,年会や会誌炭素およびCarbon Reportsを充実させるための様々な取り組みや,若手研究者支援などが行われてきました。それらは,基本的には,運営委員会での議論や,評議員会でいただくご意見を基に進められてきていますが,年会やセミナーに合わせて行われたアンケートでの貴重なご意見も参考にされています。今後も,様々な取り組みに向けて運営委員会での議論を進めてまいりますが,会員の皆様からも是非ご意見をお寄せいただきますようお願い申し上げます。
 学術団体の重要な役割として,学術情報の共有と共に人的交流の場としての機能があり,本会では年会と夏季セミナーがそれを担っています。一方で,多くの学会と同様,本会も会員数の減少が続いていることに,強い危機感を覚えています。この状況を反転させて会員増加に向かわせることができるのか,どのようにして学会活動の内容を充実させ,会員にとって有意義な団体としてあり続けることができるか,役員とともに知恵を絞りたいと思います。
 本会の目的に記されている,知識の普及に資することも,学術団体として当然推進する必要があり,重要な役割であると考えています。学会主催の各セミナーや書籍の発行などを行ってきていますが,専門家以外への知識の普及も必要であろうと考えています。現在,気候変動問題の解決に向けた地球規模の取り組みとして“カーボンニュートラル”の実現に向けた技術開発と,社会・産業の変革が進められています。私たちが取り組んでいるカーボン(炭素材料)と,目下の関心事である“カーボン(ダイオキサイド)”は異なる物質であるといった基礎科学でさえ,一般社会での認識は危ういのではないかと感じます。カーボンマテリアルがカーボンニュートラルを達成するために必要な基幹材料であるといった重要な情報を,一般社会に向けても発信していくことが必要ではないかと考えています。
 炭素材料学会の歩みの中で,わが国での国際会議開催は大きな意味合いを持ってきました。学生や若手研究者の参入を促し,国際会議前後での会誌への投稿の充実,海外研究者との交流など,様々な形で炭素材料学会の活動を活性化する役割りを担ってきたためです。現在,CARBON国際会議はアジア,欧州,米国の3極で回り持ち開催されていますので,アジアの順番の際に確実に日本開催ができるよう準備を進めていきたいと思っています。
 以上,会長就任にあたりましてのご挨拶とさせていただき,炭素材料学会が今後も魅力ある学会として発展するよう努めてまいります。重ねまして会員皆様のご支援,ご協力をお願い申し上げます。